日中関係についてのメモ

調べものをしていて、「ニッポン敗れたり」というタイトルのコラムを見つけた(朝日07年1月15日「窓・論説委員室から」)。

06年11月の世界保険機関(WHO)事務局長選で、日本が中国に予想外の敗退を喫したという話。厚労省幹部は「最善の候補者で敗れた。負けた時は、太平洋戦争のミッドウェー海戦で敗れた日本軍のような心境だった」と語ったそうだ。フタを開けてみれば、日本支持を約束していた中東や欧州諸国の票までが中国に回っていたという。
最後に、この選挙戦を指揮した厚労副大臣武見敬三がこの「敗戦」でつかんだ教訓が紹介されているのだが、これがなかなか味わい深い。
【1】中国とは、重要案件でできるだけ争わず、事前に調整をつけるべきだ。
【2】それでも中国と争う時は、欧米諸国の支持を固めなければならない。
なんだか昭和史の話みたいだ。

もうひとつ考えさせられる一文を見つけたので、こちらも紹介しておく。

日中共同声明アメリカが中国を説得して実現した。当時アメリカは日本の核武装を本気で心配し、中国と協力して日本を押さえようとしたらしいことが分かってきた。日本人は、ベトナム戦争ベトナム側の「被害者」の目で見つつ、基地を提供し続けた。このときすべきだったのは、「侵略者」の立場から日中戦争と太平洋戦争を再考することではなかったか。」
加藤陽子/朝日07年10月1日「歴史は生きている 識者20人に聞く」)