サウンドデモ―「アクティブな周辺部」への弾圧

4月30日、「自由と生存のメーデー プレカリアートの企てのために」と題されたサウンドデモが弾圧を受け、3人が逮捕された。2人は4日現在も拘留中だ。

プレカリアート」とは、「プロレタリアート」と「プレカリオ(不安定な)」を組み合わせた造語で、2002年にイタリアの街路に落書きとして現れて以来、ヨーロッパでは不安定雇用層を指す言葉として広がっているとのこと。今回のデモは、「低賃金と労働強化と雇用の非正規化を強制する新自由主義政策に反対する」と掲げた「プレカリアート」のメーデーの一環として取り組まれたものだ。

弾圧の詳細については、「メーデー救援会」
http://mayday2006.jugem.jp/
の報告を読んで頂きたい。サウンドデモのDJを道交法で逮捕し、音源の乗ったトラックを強奪。これに抵抗する者も公務執行妨害として逮捕と、警察の行動は驚くほど挑発的かつ悪質である。まったくもって反戦ビラの投げ入れが犯罪とされる時代にふさわしい。

こちらのブログに当日の現場の様子がレポートされている。
『Now,s the time』5月3日
サウンドデモの不当弾圧を見る目、聞く耳http://www.labornetjp.org/Members/Staff/blog/


メーデー救援会」のHPで小倉利丸が分析を行っている。
http://mayday2006.jugem.jp/?eid=20

「警察は、今回の集会、デモの主催者を、ワールドピースナウなどの大手反戦運動とは一線を画す周辺的な存在とみなして、暴力的な弾圧を行っても大きな批判や反発はないとみなしているふしがある。」
「立川テント村のビラ入れ弾圧や厚木基地監視活動への弾圧にもいえることなのだが、警察の対応は、アクティブで影響力のある周辺的な運動をつぶすことにかなり大きなエネルギーを割いている。運動内部の分断をはかり、徐々に弾圧の輪を狭めようというわけだから、現在の弾圧は、広範な大衆運動全体への弾圧なのだという視点をもたなければいけない。」等と小倉は読み解いている。

ぼくもこの分析にまったく同意する。この数年の弾圧の流れには一貫した意図が見える。こうした「アクティブな周辺部分」を失えば、運動は萎縮し、影響力のない無害なものになるだろう。「周辺部分」に眉をひそめて見せる「秩序派」的な言説は、ちっとも現実的ではない。

救援会では救援費用のカンパ(弁護士接見等)と抗議声明への賛同者を求めている。