これでいいのか

今日は映画の話は中断。

こないだの選挙では自民党が圧勝したが、一方で、辻元清美保坂展人が当選したのは朗報だった。民主党議員50人より、この二人のほうが頼りになる。

さっそく辻元清美がやってくれたようだ。小泉首相に鋭い質問主意書を突きつけたのである。その内容は
「総理は村山談話を踏襲するとしているが、村山談話でいう〈あの戦争〉〈過去のあやまち〉〈歴史の教訓〉について、具体的になにを指しているとお考えか」
という趣旨のもの。

まずはこちらを読んで頂きたい。
「田口裕史のブログ」
http://ameblo.jp/htaguchi/

新聞ではあまり報じられないだろうが、非常に意味のある質問と回答だと思うので、皆さんにもお知らせしたいと思った次第である。

それにしてもどうだろう。この小泉の回答に、苦い居心地の悪さを感じるのはぼくだけではないはずだ。この無内容は一内閣の認識にとどまるものではなくて、日本社会全体の侵略戦争総括の不在を正確に反映しているではないか。
「あの戦争」とはなんだったのか、何が「過去のあやまち」だったのか、学ぶべき「歴史の教訓」とはなにか、日本の社会にコンセンサスが形成されているとは到底思えない。コンセンサスを形成するための議論さえも本格的になされたとは思えないのだ。

これでよいのか、それではまずいのか、からまず考えたい。
なぜなら、右翼はもちろんだが、右翼とは言いがたい知識人の多くも、本心では「これでよい」と思っているように感じられるからだ。60年前の歴史的事実をめぐる理念的な議論など本気でやらないのが社会としての成熟だと、幼稚なナショナリズムからの卒業だとさえ考えているのではないか。

でも本当にそうなのだろうか。本当にこれでよいのだろうか。