ナチスの理想

「戦争抵抗者の会」発行『抵抗者』4号に「『波風』と『波紋』−『白バラは死なず』を観て」を書いています。模索舎などで発売中。400円。

戦争抵抗者の会HP「ゆらゆら」
http://yurayura.mine.nu/

映画『白バラは死なず』(1982年 西ドイツ)は、第二次世界大戦中のドイツで「ヒトラー打倒」のビラをまき、街路に「自由!」と落書きして処刑された若者たちのグループ「白バラ」を描いたものだ。『白バラは死なず』の上映会は、もっとも新しい「白バラ」映画である『白バラの祈りゾフィー・ショル最期の日々』(2005年 ドイツ)の日本公開にあわせてドイツ文化センターで行われた。

ところで手元にはないのだが、朝日新聞の広告ページでこの『白バラの祈り』のストーリーを紹介していた映画評論家の文章には唖然とした。「このままではドイツが滅びると憂いるゾフィー。その愛国心に、ナチスの理想を掲げる人々の心も揺れ動く…」。記憶で書いているので一言一句正確な再現ではないのだが、とくに「ナチスの理想」にはギャフンとなった。

右傾化と相対主義の時代が10年以上も続いてきた結果、日本の言論空間はここまで世界から遠くなってしまったということだ。