エスペラントを知っていますか。

世界共通語=エスペラントをご存知だろうか。19世紀末、ポーランド言語学者ザメンホフによって発明された人工言語である。ザメンホフは、ユダヤ人として受けた迫害を通じて、「諸民族の対等な交流の手段としての中立言語」の必要を痛感し、簡単な文法で構成されたこの言語を考案し、広めていった。

もちろん、世界共通語と言いながら、世界中でエスペラントを学ぶ人は約100万人に過ぎない。だが英語を筆頭に、力のある国家・集団の言語が国際的、地域的に「共通語」とされ、ネイティブスピーカーとして特権を享受できる集団と、その学習を強いられる集団とに分かれてしまうなかで、エスペランチストたちは、すべての言語の平等(言語権)、ひいてはすべてのエスニック文化の平等を実現するための手段として、すべての言語から公平中立なエスペラントを有意義に活用していくことができると考えている。

また1920〜30年代、世界的に盛んだったのが、SAT(世界脱民族性協会)を中心とした国際労働者エスペラント運動であった。彼らは、抑圧と闘う諸民族・労働者民衆の直接的な連帯の運動として、エスペラント運動を展開していった。しかしそれ以降、エスペラントは、ナチスドイツでもソ連でも弾圧されていく。
(参考:ウルリッヒ・リンス『危険な言語』岩波新書

前回紹介した「北海道自由エスペラント協会」は、エスペラントの言語権の理念と、SATの運動の伝統を継承して07年10月に結成された、北海道のエスペラントグループである。ぼくも、エスペラントは挨拶程度しかできないのだが、理念に賛同して(幽霊)会員として参加している。北海道自由エスペラント協会は、近日中にHPを解説する予定である。

次回も引き続き、北海道エスペラント協会から送られてきた文章を紹介したいと思う。